退去後の原状回復を安くする段取り|洗い外注は1R約5万円・自分でやる/業者に出すの仕分け
結論:退去後の原状回復費を下げる順番は「①触らない部分を決める → ②DIYでできる仕上げを自分でやる → ③外注は範囲を絞って頼む」です。全部を業者に丸投げすると、クロス・床・清掃・処分がセット見積りになり、1項目ずつの原価が見えないまま費用が膨らみます。逆に、すでに綺麗な部分は触らないと決め、クロス・CF(クッションフロア)・建具調整・洗い(清掃)・分別処分をDIY側に寄せるだけで、外注は本当に必要な工事だけに絞れます。
原状回復とは、入居者の退去後に、次の募集に向けて部屋を回復させる工事・清掃全般のことです。なお国土交通省のガイドラインでは、通常の使用による損耗・経年劣化の回復は大家側の負担と整理されています。敷金精算(入居者への請求)の話はここでは扱わず、この記事は「大家負担分の工事・清掃をいくらで済ませるか」に絞ります。
先に「触らない部分」を決める(ここで費用の大半が決まる)
運営者が長屋・築古戸建ての改装で一貫している原則が「すでに綺麗な部分は触らない」です。原状回復も同じで、退去直後に部屋を見て回り、①そのまま募集に使える面、②クリーニングだけで戻る面、③張り替え・補修が必要な面、に分けます。「せっかくだから全面やる」をやめるだけで、クロスも床も数量が減り、費用は数量×単価なのでそのまま下がります。
自分でやる/業者に出すの仕分け表
仕分けの基準は「資格・危険・大工工事が絡むか」です。運営者の実務では、大工作業「以外」(分別・建具調整・塗装・クロス・CF・洗い)をDIY側に寄せることでコストを大きく削っています。
| 作業 | 仕分け | ポイント |
|---|---|---|
| クロス(壁紙)張り替え | DIYできる | 初心者はのり付き壁紙が扱いやすい。部分張り替えで数量を絞る |
| CF(クッションフロア)張り替え | DIYできる | CFは安いもので十分。傷んだ箇所だけの一部張り替えも可 |
| 建具の調整(クレセント・建付け) | DIYできる | 専用道具で調整可。交換より先に調整を試す |
| 柱・壁の塗装 | DIYできる | 室内用の初心者向け塗料で可 |
| 洗い(ハウスクリーニング) | DIYできる/外注 | 外注相場は1R約5万円・広い家約10万円。道具と溶剤を揃えればDIYでも仕上がる(時間はかかる) |
| 残置物・廃材の分別処分 | DIYできる | 分別すれば処分費が下がる(後述) |
| 電気工事(コンセント増設・照明配線) | 業者(有資格者) | 電気工事士の資格が必要。照明器具の取り付けのみ可 |
| ガス工事(給湯器・可とう管) | 業者(有資格者) | ガス可とう管の接続は有資格者のみ |
| 大工工事・高所作業 | 業者 | 構造・外部足場が絡むものは業者依頼が原則 |

クロスの張り替えは「のり付き壁紙」から。部分張り替えで数量を絞るのがコツ
原状回復のクロスは、まずのり付き壁紙で傷んだ面だけ張り替えるのが実務的です。私の経験では、初心者はのり付きが扱いやすく、慣れてきたら自分でのりを塗る方がコスト節約になります。全面張り替えの前に「どの面を残せるか」を決めてから数量を出してください。
楽天でのり付き壁紙を見る Amazonでのり付き壁紙を見る洗い(ハウスクリーニング)はDIY化の効果が大きい
運営者が把握している洗いの外注相場は、ワンルームで約5万円・広い家で約10万円です。一方で、専門の道具・溶剤を揃えれば、素人でもプロ並みの仕上がりまで持っていけます(そのぶん時間はかかります)。退去のたびに発生する費用なので、道具を一度揃えてDIY化すると、2回目以降はほぼ材料費だけになります。時間が取れない退去時は外注、余裕がある退去時はDIY、と使い分けるのも実務的です。詳しい道具立ては解体・分別・洗いの記事にまとめています。
処分費は「分別」で下げる(混在ゴミにしない)
残置物・廃材の処分は、混ぜて出すと高くつきます。運営者の現場ルールは次の通りです。
- プラスターボードには何も混ぜない:処分単価が最も高いため、混在させると高単価×大量で処分費が跳ね上がる
- 木はほぼ無料で処分できる:木材だけに分けておく
- 鉄・銅・アルミはスクラップとして売却:処分費の一部をカバーできる
- 畳は本物の畳でなければ、解体して普通ゴミにできる場合がある(自治体ルールを確認)
かける金額の上限は6万円=1,000円換算則で決める
原状回復は「どこまでやるか」で際限なく膨らみます。上限の物差しは6万円=1,000円換算則(修繕原価6万円=家賃1,000円アップ相当・5年回収を内包)です。家賃の維持・アップにつながる修繕は換算則の範囲でやる、つながらない修繕は最低限に抑える、という順番で予算を絞ります。試算は換算則ツールでできます。
この記事のまとめ(大家の判断ブロック)
- 結論
- 原状回復は「触らない部分を決める→DIYでできる仕上げ→外注は範囲を絞る」の順で仕分けると安くなる。丸投げのセット見積りにしない。
- DIYでできる範囲
- クロス・CFの部分張り替え、建具調整、室内塗装、洗い(清掃)、残置物・廃材の分別処分。大工作業「以外」をDIY側に寄せる。
- 専門家に頼む範囲
- 電気工事・ガス工事(有資格者のみ)、大工工事・高所作業。外注時は相見積りで単価を確認。
- 費用の目安
- 洗いの外注相場は1R約5万円・広い家約10万円(運営者把握の相場)。処分費は分別(ボードに混ぜない・木は分ける・金属は売却)で圧縮。金額は物件・地域により異なります。
- 家賃・利回りへの影響
- かける上限は6万円=1,000円換算則で家賃から逆算。家賃の維持・アップにつながらない工事は最低限に。
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よくある質問
- Q. 原状回復はどこまでDIYでできますか?
- 資格・危険・大工工事が絡まない範囲はDIYで対応できます。具体的にはクロス・CFの張り替え、建具の調整、室内塗装、洗い(清掃)、残置物の分別処分などです。一方、電気工事・ガス工事は有資格者のみ、高所作業や構造に関わる工事は業者依頼が原則です。まず「触らない部分」を決めてから、残りをDIYと外注に仕分けるのが実務的な順番です。
- Q. 退去後のハウスクリーニングを業者に頼むといくらぐらいかかりますか?
- 運営者が把握している相場は、ワンルームで約5万円、広い家で約10万円です(地域・汚れ具合により変わります)。専門の道具・溶剤を揃えれば素人でもプロ並みの仕上がりにできるため、時間が取れるなら自分でやる、取れない退去時は外注する、と使い分けると費用を抑えられます。